クエン酸と言えばレモンなどの柑橘類に含まれている酸っぱさのもととなる成分ですね。
このクエン酸が肝臓にいいとか、ダイエットにいいとか、疲労回復効果があるとか言われていますが、はたして本当でしょうか ?
レモンやイチゴが美容にいいと言うのはクエン酸のせい ?
ここではそんな疑問にお答えしたいと思います。
クエン酸の効果 肝臓にいいって本当 ?
まずはじめは、クエン酸が肝臓にいいか ? についてです。
クエン酸が肝臓にいいと言われる理由は、「クエン酸回路」にあります。
クエン酸回路は、TCA回路とも呼ばれ、脂肪、炭水化物、タンパク質などをエネルギーに換える「エネルギー代謝」のもっとも重要な仕組みのことです。
「クエン酸回路」の仕組みそのものについてはここでは説明を省きます。
興味のある方はお手数ですがWikiなどをご参照ください。
この「エネルギー代謝」の仕組みの中でクエン酸が合成されることからクエン酸回路と呼ばれるようになったのです。
そして、代謝が肝臓の重要な役割のひとつであることから、クエン酸 = 肝臓に良いと結び付けて考えたようです。
でも、クエン酸そのものを摂取しても「クエン酸回路」の助けにはならないのです。
クエン酸回路では、クエン酸が体内で合成されるので、あえて摂取する必要はないのです。
じつは、クエン酸回路には、クエン酸そのものよりも、むしろビタミンB群などが必要なんですよ。
結論として、クエン酸は肝臓に特段の良い効果をもたらすものではありません。
クエン酸の効果は疲労回復 ?
クエン酸の効果として、もうひとつ言われるものに「疲労回復」があげられます。
クエン酸には疲労物質である乳酸を減少させる効果があると言うのですが、じつはこれには賛否両方の意見が合って、データからは一概には結論づけられないようです。
では、風邪をひいたときとか、疲れたときに梅干しを食べるのはなぜでしょう ?
疲労回復効果があるからではないのでしょうか ?
それについてはこちらをどうぞです。
クエン酸の効果 ダイエットに効く?
もうひとつ、クエン酸の効として、ダイエットに効くと言われていますが、こちらはどうでしょう ?
じつは、エネルギーを作っているのは細胞内のミトコンドリアなのです。
ミトコンドリアはブドウ糖と脂肪酸を取り込んでエネルギーに変換しています。
ところが、クエン酸を摂取すると、ミトコンドリアが脂肪酸を取り込まなくなってしまうのです。
なので、クエン酸はむしろ「ダイエットの敵」と言えそうですね。
おわりに
ここまで、クエン酸の効果を否定する内容をつづってきましたが、では、クエン酸には全く健康効果はないのでしょうか ?
いいえ、そんなことはありません。
クエン酸には、殺菌作用や食欲増進の効果があるのです。
日本の伝統的な食べ物のひとつである梅干しは、このクエン酸の効果を十分に活かしたものですね。
クエン酸には確かに健康効果があります。
でも、間違って信じられている効果もありますから、妄信しないようお気をつけくださいね。
あ、冒頭に述べましたレモンやイチゴが美容にいいと言うのは、クエン酸のせいではなく、ビタミンCを豊富に含んでいるからですよ。
最後までお読みくださってありがとうございました。