あれっ ?
「秋ナスは嫁に食わすな」と言うくらいですから、ナスがおいしいのは秋で、夏野菜とはちがうのでは ? と思われる方が多いと思います。
でも、ナスは夏野菜なんです。
夏ナスと秋ナス
ナスの収穫時期は6月から9月で、7月ころに収穫するものを夏ナス、9月ころに収穫するものを秋ナスと呼びます。
ナスは2回も収穫できてしまうこと、ご存知でしたか ?
では、夏ナスと秋ナスでは何が違うのでしょう?
夏ナスは旬ですから、みずみずしく、皮が固くて種もぎっしり詰まっています。
そして野菜は旬が一番体に良いと言います。
一方、秋ナスは皮がやわらかく、種はほとんどありません。
そして、種がないかわりに実には旨み成分であるアミノ酸と糖分が多くなります。
これが、秋ナスがおいしいと言われる理由です。
これ、品種が違うわけではなく、ナスは夏に収穫したあと、剪定(せんてい)してやると秋にも実をつけるという性質があるのです。
つまり、二度たのしめる野菜なのです。
夏野菜としてのナスの効能
冒頭の「秋ナスは嫁に食わすな」は、涼しくなる秋に、女性は体を冷やしすぎてはいけないという気遣いから生まれたとも言われています。
それだけ、ナスの体を冷やす効果が高いということですね。
そうです。ナスは、夏野菜の特徴であるからだを冷やす働きが、特に強いと言われています。
でも、それだけ ?
いえいえ、ナスにはとても優れた健康効果があるのです。
では、根拠となるナスの栄養素を見てみましょう。
ナスの栄養素~その健康効果
ナスはビタミンやミネラル類をとくに多く含んでいるわけではありません。
その90%以上は水分で、ほかには食物繊維と糖質が主な成分です。
ビタミンとしては、A、B1、B2、Cをごく少量含んでいるだけです。
しかし・・・ナスニンがあります。
ナスの紫紺色は、ナスニンというアントシアニン系の色素によるものなのです。
ナスニンはポリフェノールの一種で、強力な抗酸化作用を持っています。
それによって活性酸素を抑え、がんや生活習慣病を予防する効果が期待されます。
また、コレステロールの吸収を抑える作用もあると言われています。
さらに、ナスには、コリンが含まれています。
コリンはビタミンBに近い、水溶性のビタミン様作用物質で、血圧を下げる効果や動脈硬化を防ぐ効果があるとされています。
そして、もうひとつ注目すべき成分としてクロロゲン酸があげられます。
クロロゲン酸は、コーヒーなどにも含まれるポリフェノールの一種で、脂肪燃焼作用があることからダイエットに有効とされる成分です。
また、脂肪肝や糖尿病を予防する効果があると言われています。
ナスは、栄養がなさそうでいて、じつはとてもヘルシーな夏野菜だったのです !
おまけ~ナスの歴史
ナスは、インド原産で、日本には奈良時代に中国から伝えられたと言われています。
正倉院の文書に「茄子」の記述があるそうですよ。
けっこう古くから日本人に親しまれていたのですね。
おわりに
いかがでしたか ?
夏野菜であるナスの健康効果がお分かりいただけたと思います。
暑い夏、ナスで体を適度に冷やしながら、快適に過ごしては如何でしょうか ?
最後までお読みくださってありがとうございます。
この記事がお読みくださったあなたの役に立てばうれしいです。