社員がうつ病になった!? 会社の対応は ? 休職させる? 退職 ?

 

元気のない社員 うつ病 ?

社員の様子がおかしい。

仕事中、うつろになることがある。

体調不良を理由に休みがち・・・。

もしかしたらその人、うつ病かも知れません。

 

こんなとき、会社としてどう対応すべきなのでしょうか ?

うつ病の原因によっては、あとで損害賠償を請求されることもあり得ますから、対処を誤らないようにしたいですね。

 

私は人事・総務を10年ほど担当してきたので、うつ病の社員とも何人か接してきた経験があります。

ここでは、私の経験を踏まえて、社員がうつ病になってしまった時の会社の対応についてお伝えしたいと思います。

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社員がうつ病になった 会社の対応は ?

社員の様子がおかしいことに気づいたら、まずやるべきことは、本人と面談をすることです。

 

本人を呼んで、他の社員に聞こえない個室で話すのが良いです。

個室がなければできるだけ他の社員に話が聞こえにくい場所を選んでください。

本人としては、人事担当者と話をしているところはあまり見られたくない、聞かれたくないものです。

 

「最近休みがちだけど、病院行ってる ?」
もし、病院に行っていないなら、受診を強く勧めて下さい。
産業医と契約している会社なら、産業医を紹介します。

 

そうでない場合は本人が良いと思う病院か、本人が分からなければ、評判の良い心療内科を紹介してあげてください。

 

そのためには、人事担当者としては、近隣でどの心療内科が良いのかリサーチしておくことも必要です。

社員の話を聞く

 

うつ病かどうかは、当然ですが、素人に判断できません。
あくまでも医師の診断が必要です。

 

注意 !

本人との面談日時、面談内容などは記録に残しておくことをおすすめします。

理由は、万一後日病気は会社のせいだと言ってきたときの防御の備えのためです。

私は幸いに社員との争いになったケースは経験していませんが、業務の一環として面談の記録を残すようにしています。

 

さて、その後の対応は医師の診断次第です。

本人から診断結果の報告を受けてください。

 

ここまでまとめると、

 

注意 !

社員がうつ病かと思ったら
①本人と話をする
②心療内科の受診を勧める
③診断結果の報告を受ける

 

 

社員がうつ病になった 休職させる ?

たいていの場合、うつ病と診断すると、医師は1ヵ月くらいの休職を勧告します。

この場合は診断書を提出させて休職処理に入ります。

 

その前に有給消化

ただ、休職だとその間の給与の支給はありません。

有給休暇が残っているなら、有給の消化を優先させてあげた方が、本人にとっては経済的に楽です。

何年か勤務している社員なら、20日くらいの有給休暇が残っているケースがあります。


20日間あると、実質的にほぼ1ヵ月間の稼働日数に相当しますから、休職しなくても1ヵ月間休ませることができますよ。

 

 

休職については自社の就業規則を良く確認しておいてくださいね。

①休職可能期間
②休職期間終了後の扱い

 

休職を認める場合に会社がするべきこと

①医師の診断書を添えた休職願いを提出させる
②傷病手当の申請書を提出させて、会社の証明事項(給与の額、休んだ日)を記載して社会保険事務所に提出
③定期的に本人に連絡して様子を聞く

これも会社の対応として記録に残しておく方が良いです。

 

傷病手当は、病気やけがで休職した際に、生活に困らないように、給与の3分の2の額を最大1年6ヵ月の間受給することができる制度です。

 

本人のためには、できれば1ヵ月ごとに申請させた方が良いでしょう。

何か月かまとめて申請することも可能ですが、その間、本人の収入が途絶えてしまいます。

 

 

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休職中の健康保険料は ?
健康保険料と厚生年金保険料は会社と本人が折半して支払うものです。

本人が休職中でも会社は本人負担分と会社負担分を立て替えて支払わなければなりません。

普通に勤務しているときは、毎月給与から天引きして徴収できますが、休職中は給与の支払いはありませんので、天引きできません。

 

別途本人に健康保険料と厚生年金保険料を請求する必要が出てきます。

傷病手当を受けた中から支払ってもらうことになりますが、これ、本人にとってはけっこうキツイです。

 

でも、請求しないわけにはいきませんので、ご本人に説明してくださいね。
もしご本人が40歳を過ぎていれば、介護保険料も請求しなければなりません。

あと、たいていの会社では住民税も会社が一括で支払って、本人から給与天引きしていますから、こちらも併せて請求することとなりますね。

 

休職中に本人に請求すべきもの

・健康保険料
・厚生年金保険料
・介護保険料
・住民税

 

 

社員がうつ病になった 退職 ?

さて、休職期間が明けて、復職するには医師の診断書を添えた復職願いを提出させる会社が多いと思います。

ただ、無事復職できればよいのですが、復職できないこともあります。

 

会社の規程の例として、休職を認める期間が1年間である場合、1年を過ぎて復職できない場合は解雇事由となるのです。

 

私が対応したケースでは、うつ病で休職した社員のほとんどは自ら退職してしまいました。

 

長く休むと仕事に就く自信がなくなったり、億劫(おっくう)になってしまうのかも知れません。

 

復職させる場合
休職期間が過ぎて、本人が復職可能となった場合、会社として注意すべきことがあります。

それは、事前に本人と話して復職するときの業務について決めておくことです。

 

復職の際に確認しておくこと

①休職前と同じ業務で良いのか ?
②休職前と別な業務を望むのか ?
③どの程度働けれるのか ?

 

会社が、ある程度の規模があって業務を替えることができて、且つ本人が望む場合は替えてあげるのが望ましいです。

もちろん、再発防止のためです。

 

また、すぐにフルタイムで働けるとはかぎりません。

その点も医師の診断書に従って、1日の業務時間を制限するなどの措置が必要となることがあります。

 

もちろん、稼働時間や日数が不足した場合は減額対象となりますから、本人に予めご説明くださいね。

 

おわりに

いかがでしたか ?

社員がうつ病になってしまったときに会社が行うべき対応についてお伝えしましたが、参考になりましたでしょうか ?

 

うつ病は、目に見えない心の問題であるだけに本人のつらさは傍から見て分かりません。

でも、なってしまったものは仕方がありませんから、本人も、会社も納得できるチキンとした対応をしてあげましょう。

 

万一本人が退職されることになっても、親身に対応してくれたと感謝されるくらいのことはしたいですね。

 

うつ病で休職・退職する社員からお金の相談を受けたらこちらをご参照下さい

>> うつ病で退職 お金はどうする ? 傷病手当は ? 失業保険は ?

 

うつ病から立ち直った体験談も、受診を勧めるときの参考になるかも知れません・・・。

>> うつ病の原因 私の体験談 辛かった症状 ! ついに治った !

 

最後までお読みくださってありがとうございました。

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