親が亡くなったとき、親の配偶者も既になくなっていたら、葬儀の費用は誰が支払うものでしょうか ?
長男・長女 ?
それとも兄弟姉妹で分担 ?
相続との関係は ?
ここではそんな疑問にお答えしたいと思います。
あと、親が生命保険に入っていた場合、保険金を葬儀費用に充てられるかについてもあわせてお伝えしますね。
葬儀費用は誰が支払うの ?
まず初めに、葬儀費用は誰が払うかですが、これは喪主が支払います。
ですから誰が喪主になるかで親の葬儀費用を支払う人が決まるのです。
一般的には長男(長女)が喪主となって葬儀費用を支払います。
ただし、費用の分担は兄弟姉妹で相談して決めても良いのです。
そこに、法律上の決まりはありません。
折半しても良いですし、次の章で述べる相続との兼ね合いで誰が支払うかや、分担する比率を決めても良いのです。
ところで、香典は誰がもらうものでしょう ? 香典は故人に対してではなく、喪主に対して支払われるものなんです。
つまり、葬儀費用を支払う喪主が香典を受け取るのです。
葬儀費用と相続の関係は ?
法定相続は、兄弟姉妹が均等に親の財産を相続します。
一方で、葬儀の費用は喪主となる長男(長女)が支払ます。
そこで遺産の分割については次のように考えます。
①遺産から、葬儀費用を差し引いた額を均等に相続する
②長男(長女)が葬儀費用を負担し、その分多く遺産を相続する。
お気づきと思いますが、①、②は表現が異なっていますが、実質的に同じことです。
実際にはここに香典の収入が加算されますから、葬儀費用の拠出は次のようになります。
①葬式費用はまず香典で賄います。 というのが一般的です。
②それで足りない場合、不足分は相続財産の中から支払います。
③それでも足りない場合は、相続人が相続分に応じて負担する
香典だけで葬儀費用が全部賄えた場合、喪主となった長男(長女)が残った香典を受け取ることになって、不公平ではないか ?
と思われるかもしれませんね。
でも、違うんです。
喪主となった長男(長女)は、そのあとの三回忌、七回忌・・・と法要を執り行ってゆかなければなりません。
ですから、多くもらった分は今後の法要に当てなければならないのです。
むしろ、法要の手配や収支の管理をする分負担が大きいと言えるでしょう。
ですから、遺産分割も、今後の法要の経済的負担を加味して喪主となった長男(長女)が多めに分割を受けるケースが多いのです。
もしも、自分たちに財力がなく、親の遺産もない場合は、できるだけ葬儀にお金をかけないようにする必要があります。
葬儀にお金をかけすぎて、残った子供の負担が大きくなっては亡くなった親も喜ばないのではないでしょうか ?
ましてや、葬儀代が原因でと子供達の間に不信感や争いが生じるのは本末転倒です。
兄弟姉妹でしっかり話し合って、お互い納得したうえで葬儀の規模を決めましょう。
葬儀の費用についてはこちらもあわせてどうぞです。
>> 葬儀の費用はどれくらい ? 内訳は ? 抑えることはできるの ?
葬儀費用に生命保険は充てられる?
さて、親が生命保険に入っていた場合、保険金を葬儀の費用に充てられたら楽ですよね。
でも、保険金はすぐにはおりません。
だいたい請求から1週間くらいはかかります。
ですから、初めから保険金をアテにして葬儀にお金をかけすぎると、支払いのときに現金が足りなくなってしまうこともあり得ますから、くれぐれも注意が必要です。
仮に生命保険に加入していたとしても、自分たちで用意できる現金の範囲に収まるよう葬儀の規模を葬儀屋さんとよく相談して決めてくださいね。
・請求書(保険会社書式)
・被保険者の住民票
・受取人の戸籍抄本
・受取人の印鑑証明
・医師の死亡診断書または死体検案書
・保険証券 他
葬儀の費用 故人の貯金をおろして使える ?
人が亡くなったら、その人の銀行口座は凍結されて、引き出しできなくなるといわれていますね。
では、故人の貯金は、亡くなったら引き出せないのでしょうか ?
じつは、引き出しできるんです。
亡くなった人の銀行口座の凍結は、遺族が銀行に連絡して初めてなされることなんです。
ですから、届ける前なら暗証番号が分かっていれば引き出し可能なんですよ。
私の父が亡くなった時は、葬儀の費用は、自分のお金では賄いきれないことが分かっていましたから、姉と一緒に銀行のATMに行って父の貯金を下ろして葬儀費用の一部としました。
相続人がたくさんいるとか、故人の貯金がたくさんある場合は、親族間で勝手に引落されないように、亡くなったことを銀行に連絡して口座を凍結します。
でも、私のように兄弟・姉妹が二人の場合は、お互い納得の上で口座を凍結する前に故人の口座から葬儀費用を引き出すことはOKなんです。
銀行へは後で連絡すればよいのです。
私達は、父の貯金を使って、無事葬儀を行うことができました。
おわりに
いかがでしたか ?
葬儀の費用を誰が支払うか、相続との関係について、さらに生命保険金を充当できるかについてお伝えしましたが、参考になりましたでしょうか ?
葬儀費用の負担について、兄弟姉妹間でうまく折り合いをつけて、故人が安心できる葬儀を執り行いたいものですね。
最後までお読みくださってありがとうございました。