牡蠣による食中毒の予防法は ? ノロウイルス、腸炎ビブリオ、貝毒編

牡蠣(皿盛)

冬場に旬を迎える栄養豊かな「牡蠣(マガキ)」、あなたはお好きですか ?
私は牡蠣、特に生の酢牡蠣が好きです。

でも、「生」はちょっと食中毒が怖いですよね。

今回は、牡蠣による食中毒であるノロウイルス、貝毒、腸炎ビブリオのそれぞれについて、その予防法をお伝えしますね。

初めに結論を言ってしまえば、牡蠣には「加熱用」と「生食用」の2種類がありますが、「加熱用」は必ず加熱調理して、決して生では食べないことです。

これだけでノロウイルスと腸炎ビブリオは、ほとんど予防できます。

 

それでは、ひとつずつ見てゆきましょう。

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牡蠣による食中毒の予防法は ? ノロウイルス編

まず、「加熱用」の牡蠣についてです。
ノロウイルスは熱に弱いので、充分に加熱することで感染を防ぐことができます。

牡蠣の中心温度が90度になってから90秒以上加熱することでノロウイルスは死滅します。

ただし、「加熱用」の牡蠣の場合、特に気を付けるべきことがあります。

それは、調理した後のまな板や包丁、布巾は、その後で他の食材の調理に使ってはいけないということです。

菌が付着しているので、必ず熱湯消毒とキッチン用の除菌剤でしっかり除菌しておくことを強くおススメします。

 

それでは、「生食用」の牡蠣はどうでしょうか ?

生食用の牡蠣と言うのは、保険所が認めた汚染されていない特定海域で採った牡蠣に、さらに「浄化」の処置を施した牡蠣を言います。

「浄化」というのは牡蠣を浄化槽に浸けて上から紫外線で殺菌した海水をシャワーで供給しつつ、牡蠣が吐き出した水を槽の底から排水して、牡蠣の体内を浄化することを言います。

 

牡蠣は一日300リットルもの海水を吸い込み、栄養分を濾しとった海水を排出して成長します。

その性質を利用して、清浄な海水を吸い込ませることで体内のウィルスや細菌を吐き出させるのです。

牡蠣の産地では、自治体や漁協が「生食用」牡蠣の「浄化」の方法、時間などの基準を定めて、実施を義務づけています。

これなら、生で食してもたいてい大丈夫ですね。
「たいてい」と言ったのは、どんなに浄化しても100%感染しないとは言い切れないからです。

 

「生食用」の牡蠣を採る海域はたいてい沖の清浄な海域と定められていますが、じつは沖よりも河口に近いほうが、河川から栄養素が運ばれるため、おいしい牡蠣が採れるのです。

でも、栄養豊富な海域はウイルスや細菌も繁殖しやすいので、残念ながら「生食用」の牡蠣には適しません。

しかも、浄化中の牡蠣は言ってみれば「断食」状態ですから、身が細くなります。ですから、「生食用」は「加熱用」に比べてどうしても味が落ちてしまうのです。

でもこれは、安全のためですから止むをえませんね。

 

牡蠣による食中毒の予防法は ? 腸炎ビブリオ編

よく、牡蠣を海水と同じ濃度の塩水(3%)に浸けておくと鮮度を保つのに良いと言いますが、これはやってはいけません。

じつは腸炎ビブリオ菌は塩水を好む菌なので、塩水に浸けると増殖を促すことになるからです。真水で洗ってください。

腸炎ビブリオ菌も熱に弱く、65度で5分間加熱すればで死滅しますので、しっかり加熱調理すれば感染を予防することができます。

 

そして、ノロウイルスの予防でも書きましたが、「加熱用」の牡蠣の場合、調理した後のまな板や包丁、布巾をそのまま他の食材の調理に使ってはいけません。

菌が付着しているので必ず消毒・除菌してくださいね。

 

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牡蠣による食中毒の予防法は ? 貝毒編

貝毒は、牡蠣が、毒性をもつプランクトンを食べることで、体内に毒素を溜めてしまうことで発生します。

貝毒は、困ったことに加熱しても消滅しません。
ですから、貝毒のない牡蠣を食べる以外に予防法はないのです。

では、貝毒のない牡蠣はどうやって見分ければよいのでしょう ?
見分けがつきませんよね。

でも、心配はいりません。

じつは、市場に流通している牡蠣で貝毒の心配はほとんどないと言ってよいのです。

それは、農林水産省が貝毒の基準値を定め、各自治体と漁協による定期的検査と自主規制がなされているからです。

検査内容は次の2つです。
・都道府県による有害プランクトンの発生状況調査
・都道府県や生産者による貝毒の検査

検査の結果、規制値を超えた場合は、出荷が自主規制されています。

そして、出荷再開は、その後の検査で規制値を3回下回ることが条件となっているのです。

これが、市場に流通している牡蠣に貝毒の心配はほとんどないと言う理由です。

 

ただ、冬が旬の真牡蠣(マガキ)では考えにくいですが、夏が旬の岩牡蠣(イワガキ)だと、個人が素潜りなどで採った場合は要注意ですよ。

焼き牡蠣

 

牡蠣鍋

酢牡蠣

 

おわりに

如何でしたか?
牡蠣の食中毒にならないための予防法について、お分かりいただけたと思います。

繰り返しになりますが、「加熱用」の牡蠣は決して生で食べないことです。

牡蠣は、殻つきのまま焼いても、むき身をフライにしても、また、蒸しても鍋に入れても   滋味豊かで美味しい食材です

やってはいけないことさえしなければ、安全でおいしく戴ける食材ですから、ぜひ冬の味覚のひとつとして楽しんでくださいね。

 

最後までお読みくださってありがとうこざいました。

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