毎年、解禁日が近づくと話題になるボージョレ・ヌーボー。
そもそもボージョレ・ヌーボーとはなんでしょう ?
ボージョレ・ヌーボーとは ?
フランスのブルゴーニュ地方ボージョレ地区で、その年収穫されたガメイ種のぶどうで造られた赤ワインで、特に仕込んでから二か月ほどの新酒を言います。
ボージョレ地区は、パリの東南にあたるブルゴーニュ地方の南に広がるなだらかな丘陵地帯で、その名の由来は、「美しい高台」を意味するボージュBeaujeuだと言われています。
もともとは、ぶどうの収穫を祝うとともに、その年のブドウの出来栄えを確認するための試飲用として、ワイン業者や地元の人たちにだけ売られていました。
その後、醸造家ジョルジュ デュブッフが解禁日をイベントとして、1970年代に世界中に広めたと言われています。
解禁日は ?
では、その解禁日とはいつでしょうか ?
解禁日は、はじめ11月11日でした。これは、ボージョレ地区で最も早くワインができる頃の聖人の日、サン・マルタンの日に合わせて定められたそうです。
しかしその後、11月11日が無名戦士の日に変更されてしまいました。
そこでやむなく、その日にもっとも近い別な聖人の日、サン・タルベールの日である11月15日に変更されました。
しかし、フランスは休日には運送業者も働きませんから、11月15日が土日に当たるとその日に出荷できなくなってしまうと言う事態が起こったのです。
そこで、フランス政府が解決策として、「毎年、11月の第3木曜日」を解禁日として設定したのです。1985年のことです。
それ以来、解禁日は毎年変動するので、予め調べて買いそびれないようにしているファンも多いと言います。
ボージョレ・ヌーボーの特徴は ?
ボージョレ・ヌーボーは、口当たりが柔らかく、独特の清涼感が特徴です。
その理由は、醸造方法にあります。
一般のワインは、収穫したぶどうを破砕し、搾汁した葡萄液を酵母によってアルコール発酵させます。しかし、ボージョレ・ヌーボーは、未破砕のままタンクに入れて発酵させるのです。
この醸造方法を「マセラシオン・カルボニック」と言います。
タンクの下の方のぶどうが重さでつぶれ、果汁が流れ出て自然に発酵が始まるのです。
発酵が始まると炭酸ガスが発生して、次第にタンク全体に充満します。
この炭酸ガスが充満した環境で発酵を進めるのがボージョレ・ヌーボーの醸造法なのです。
この方法で造ったワインは、わずかながら炭酸ガスを含んでいることと、果皮や種から溶出するタンニンが少ないため、渋みや苦味が少なく、口当たりの柔らかいワインとなるのです。
ボージョレ・ヌーボーのおいしい飲み方
一般的にワインは、冷やし過ぎると渋みが出て望ましくありません。
これは、タンニンが含まれているためです。
ボージョレ・ヌーボーは、上に述べた製法の特徴として、タンニンが少ないので、冷やしても渋みが出る心配がありません。
ですから冷蔵庫で1時間くらいしっかり冷やして飲むとおいしいですよ。
ただし、じっくり寝かせることを前提としたワインではありませんから、早めに空けてしまうのがおすすめです。
おまけ
解禁日、待ち遠しい方もいると思いますが、じつは日本の方が早くボージョレ・ヌーボーを飲めるのです。
時差の関係で、日本とパリを比べると、日本の方が7時間時間が進んでいるので、解禁日が若干早く訪れるという訳です。
おわりに
いかがでしたか ?
ボージョレ・ヌーボーの解禁日が定められたいきさつがお分かり頂けたと思います。
今度の解禁日には、ボージョレ・ヌーボーの由来などを彼(彼女)に語りながら乾杯しては ?
さいごまでお読みくださってありがとうございます。
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