ほうれん草が肝臓いいはウソ !? 健康効果は ?

採れたてほうれん草 

お酒好きにとって、肝臓にいい食べ物と聞くと気になってしまいますよね。

魚介類ではしじみや牡蠣、野菜ではブロッコリーや玉ねぎなど、肝機能を高める効果があると言われる食べ物はじつはいろいろあります。

 

ほうれん草もそのひとつです。

でも、じつはとんでもない誤解があるのです !

 

ここでは、ほうれん草が肝臓に良いというのは本当なのか、詳しくお伝えしたいと思います。

さらに、ほうれん草の栄養素についてもあわせてお伝えしますね。

 

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ほうれん草が肝臓いいはウソ !?

ほうれん草が肝臓にいいと言われる理由は、これです !

ほうれん草にはグルタチオンと呼ばれる成分が豊富に含まれています。

 

グルタチオンとは、3つのアミノ酸(グルタミン酸、システイン、グリシン)で構成されたトリペプチドと呼ばれる成分です。

 

このグルタチオンがじつに肝臓に良いのです !

 

グルタチオンの働き

①活性酸素を除去する
②体内の毒素を取り込んで体外に排出させる

 

体内の活性酸素は肝臓で最も多く発生して、肝細胞を傷つけてしまいます。

つまり、グルタチオンは活性酸素を取り除いて肝細胞が傷つくのを防いでくれるのです。

 

さらに、グルタチオンは体内の毒素を排出させる作用があることから、肝臓の解毒作用を助けてくれるのです。

 

そんな訳で、グルタチオンをたくさん含んでいるほうれん草は、肝臓に良いと言われているのです。

 

でも、待ってください !!

 

ふつう、ほうれん草を「生」でたべますか ?

茹でますよね ?

おひたしにするのが一般的なほうれん草の食べかたです。

 

なぜでしょう ?

それは、生のほうれん草にはエグ味、つまりアクがあるからです。

 

エグ味の正体は「シュウ酸」という成分です。

シュウ酸は、エグ味となるだけでなく、摂りすぎると体内のカルシウムと結びついて尿路結石の原因となる厄介モノなんです。
(尿路結石ってとっても痛いそうです !!)

 

そこで、茹でたり、あるいは水に浸けたりしてアク抜きをして、シュウ酸を取り除いてから食するのです。

 

ところが、茹でたり水にさらしたりすると肝臓に良い成分であるグルタチオンは失われてしまうんです !

 

じつはグルタチオンは熱に弱く、そのうえ水溶性なんです。

そのため、茹でたり水にさらしたりするとグルタチオンは壊れたり流れ出てしまうんです。

ここが、同じグルタチオンを多く含むブロッコリーと大きく違うところなんです。

ブロッコリーにも「シュウ酸」は含まれているのですが、その量は100g当たり、ほうれん草の800mgに対して、ブロッコリーは300mgと2.5倍以上の違いがあります。

なので、ブロッコリーはジュースにして、あるいは細かく刻めば生のままで食べることができます。

 

ですから、食べ方を考えると「ほうれん草は肝臓に良い」というのは誤解と言わざるを得ないのです。

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ほうれん草のおひたし

 

ほうれん草の栄養素は ?

では、ほうれん草を食べてもなんにもならないか?
と言うと、けっしてそうではありません。

 

ほうれん草は栄養豊富な食べ物なんですよ。

 

順にご説明しましょう。

 

ビタミンE
ほうれん草は、ビタミンEを多く含む食材なんです。

その含有量は100gあたり2.1㎎と、成人女性の1日あたりの摂取目安である6mgの1/3ほどに相当します。

 

また、ビタミンEは抗酸化作用が高く、体の中の活性酸素を除去する働きがあります。

さらに、ビタミンEは女性ホルモンのエストロゲンを活性化させる効果もあります。

 

その上、ビタミンEは脂溶性で、熱に強いので、ほうれん草を茹でても損なわれないのです !

 

βカロテン
βカロテンは免疫力を高める値効果で知られていますね。

また、βカロテンは体内でビタミンAに変換されて、皮膚や粘膜を丈夫するなどの働きもあるんですよ。

さらに、βカロテンには抗酸化作用もあって、活性酸素の除去にも効果を発揮してくれます。

 

葉酸
ほうれん草には、葉酸も多いんですよ。

葉酸は、特に妊婦さんは多く摂ることを推奨されている栄養素ですが、動脈硬化を防ぐほか、アルツハイマー認知症やうつ病などの予防にも効果があるとされていますよ。

 

鉄分
ほうれん草は鉄分を多く含んでいますから、特に貧血気味の女性にはおススメの野菜です。

ただし、脂肪肝など既に肝臓に病気を持っている方にはNGですよ。

鉄分が活性酸素の発生を増徴して肝臓に悪影響があるからです。

 

 

そして、ほうれん草は野菜ですから、もちろん食物繊維も豊富です。

ほかに、生の状態ではビタミンCも豊富に含まれているのですが、こちらは熱に弱いため、残念ながら調理の過程でかなり壊れてしまいます。

 

肝臓に良い食べ物については、別記事にくわしくまとめてありますので、よろしければどうぞ。

>> 肝臓にもやしがいいって本当 ?! もやしの栄養素って ?

>> トマトの効果 肝臓にいい ! ケチャップもジュースもいいよ !

>> 肝臓にブロッコリーがいい ?! ブロッコリーの栄養素は ?

>> 肝臓に玉ねぎが効く !? 玉ねぎの栄養って ?

>> 酢は肝臓にいい ! ほかの健康効果は ? とりすぎのデメリットは ?

>> 肝臓にこんぶのヌルヌルが効く!? こんぶの栄養って ?

 

おわりに

いかがでしたか ?

ほうれん草が肝臓に良いと言われる点については誤解が解けましたでしょうか ?

 

一方で、ほうれん草にはビタミン、ミネラル、食物繊維と、体に良い栄養素がたくさん含まれていることもお分かりいただけたと思います。

 

健康食のひとつとして、ほうれん草もお楽しみくださいね。

 

最後までお読みくださってありがとうございました。

 

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