尿路結石で、七転八倒の激痛を経験された方もおられることと思います。
そんなの、もう二度と経験したくありませんよね。
尿路結石は、じつは食生活が大きくかかわっています。
食生活が欧米化したことも尿路結石を起こしやすくなる一因とも言われています。
ここでは、尿路結石の再発を防止するための食生活を考えてみたいと思います。
尿路結石の原因となる食べ物にはどんなものがあるか、また、防ぐ食べ物について詳しくお伝えしますね。
尿路結石 原因は ?
尿路結石の原因となる食べ物を知るために、まず尿路結石とは何かを見ておきましょう。
尿路結石には、いくつか種類がありますが、最も多いのがシュウ酸カルシウム結石というもので、全体の厄80%を占めています。
これは、文字通りシュウ酸がカルシウムと結合して結石となったものです。
ということは、尿路結石の材料である、シュウ酸とカルシウムを多く含む食べ物が要注意と言うことになりますよね。
でも、カルシウムは体を作る上で不可欠ですから、摂らないわけにはいきません。
それどころか、カルシウムは摂ったほうが良いのです。
じつは、シュウ酸は腸の中でカルシウムと結合すると、吸収されずに便として排泄されるんです。
逆にカルシウム不足になると便として排泄されずに吸収されて血中に混ざり、尿路で結石を作る要因となってしまいます。
ですから、尿路結石を防ぐには、カルシウムを多く含む食材を摂ることが必要なんです。
尿路結石として次に多いのが、尿酸結石です。
先に述べたシュウ酸カルシウム結石と合わせると、尿路結石の90%を占めています。
尿酸結石は、尿の酸性度上昇により尿酸が結晶化したものを言い、こちらはビールなどに含まれるプリン体が分解されてできるものです。
尿路結石の原因が分かったところで、早速尿路結石の原因となる食べ物から見てゆきましょう。
尿路結石 原因となる食べ物は ?
初めにお伝えしたように、シュウ酸が尿路結石の材料となります。
そこでまず、シュウ酸を多く含む食べ物を見ておきましょう。
シュウ酸を多く含む食べ物
ほうれん草
ほうれん草はダントツでシュウ酸の含有量の多い食べ物です。
ただ、シュウ酸は水に溶けやすいので、あく抜きしたり、茹でたりすることでシュウ酸が流れだして、含有量を50%程度まで落とすことができます。
ですから、ほうれん草をお浸しにして食べるのは、じつに理にかなった調理法なんですよ。
とは言っても、それでもまだシュウ酸が含まれていますから、尿路結石の予防には、ほうれん草は食べ過ぎに注意です。
バナナ
意外かも知れませんが、バナナもほうれん草に次いでシュウ酸を多く含んでいます。
バナナを毎日食べる人はあまりいないとは思いますが、お好きでもできるだけ控えて、食べる場合は1日1本までが限度と考えると良いでしょう。
シュウ酸を多く含む食べ物をまとめておきますね。
・ほうれん草(800mg)
・バナナ(500mg)
・キャベツ(300mg)
・ブロッコリー(300mg)
・カリフラワー(300mg)
・レタス(300mg)
・ナス(200mg)
ブロッコリーやカリフラワーも、ほうれん草同様に茹でることでシュウ酸を減らすことができます。
もっともブロッコリーやカリフラワーを生でたべる人はあまりいませんよね。
・玉露(1350mg)
・抹茶や煎茶(1000mg︎)
・番茶(670mg)
・ココア(623mg︎)
・ほうじ茶(286mg︎)
(茶葉や粉末の含有量で表示)
玉露、抹茶、煎茶はシュウ酸を多く含んでいますが、上の表は茶葉状態での含有料ですので、実際にお茶として飲む場合は、お湯に溶けだした分だけとなりますから、そこまで多くはなりません。
でも、飲むのなら、ほうじ茶が無難と言うことになりますね。
ココアは粉末をお湯などで溶かして飲みますから、ココアに含まれているシュウ酸はすべて体内に入ります。
ココアを飲むときは牛乳を加えて飲むと、牛乳のカルシウムがココアのシュウ酸と結合して排出されやすくなりますよ。
脂肪を多く含む食べ物
脂肪を多くとると、吸収されずに残った脂肪酸が腸内でカルシウムと結合します。
すると、シュウ酸と結合すべきカルシウムが減少し、結果的にシュウ酸が便として排泄されずに吸収されてしまいます。
つまり、脂肪の摂りすぎは尿路結石につながると言うことです。
動物性タンパク質
じつはクエン酸にはシュウ酸とカルシウムが結合することを阻止する働きがあるのですが、動物性タンパク質を摂取すると血中・尿中のクエン酸が減ってしまうのです。
ですから肉類は、動物性たんぱく質と脂肪の両方を含んでいますので、やはり摂りすぎに注意です。
糖質
糖質を摂ると、上がった血糖値を下げるために、インスリンが分泌されますが、このときに、カルシウムが使われます。
糖質の摂り過ぎは、骨を溶かすと言うのはこのためです。
ですから、糖分の摂りすぎもカルシウムを減少させるので結果的に尿路結石には良くないのです。
塩分
塩分を多く摂ると、過剰となったナトリウムを排出するためにカルシウムが使われてしまいます。
塩分の摂りすぎは、結果としてカルシウムを減少させて、尿路結石には良くないのです。
プリン体を多く含む食べ物
尿酸のもととなるプリン体は穀物、肉、魚、野菜など食物全般に含まれています。
プリン体は分解されて尿酸に変化し体外に排出されますが、尿酸量が多くなりすぎると尿酸結石の原因となるのです。
プリン体を多く含む食品を挙げておきますね。
・レバー類(210~320mg/100g)
・エビ、イワシ、カツオ(210~270mg/100g)
尿路結石 防ぐ食べ物は ?
では次に、尿路結石を防ぐ食べ物を見てみましょう。
カルシウムの多い食品
冒頭お伝えしたように、カルシウムは腸のなかでシュウ酸と結合すると便として排泄されます。
ですから、カルシウムを多く含む食べ物は尿路結石の予防となります。
牛乳、豆腐、鰹節、ちりめんじゃこ等を積極的に摂りましょう。
マグネシウムを多く含む食品
マグネシウムは尿中のシュウ酸を減らして結石形成を抑える働きをもっています。
マグネシウムを多く含む食品としては、次のものが挙げられます。
・大豆製品(きな粉、油揚げ、納豆)
・魚介類(するめ、あさり、いくら)
・海藻(わかめ、ひじき) ・ナッツ類
クエン酸を多く含む食品
クエン酸は尿中のカルシウムを減らして結石形成を抑える働きをもっています。
クエン酸を多く含む食品としては次のものが挙げられます。
・レモン、グレープフルーツなどのかんきつ類
・梅干し
おわりに
いかがでしたか ?
尿路結石は、日ごろの食生活に気を配ることで、再発を予防することができるものです。
と言ってあまり制限をし過ぎるとかえってストレスになってしまいます。
ストレスは尿路結石の材料のひとつである尿酸を増やすことが分かっています。
要は、なにを食べるにもほどほどに、ということですね !
最後にまとめておきますね。
尿路結石の防止 |
・ほうれん草、バナナなどのシュウ酸を多く含むもの |
尿路結石の防止 |
・牛乳、豆腐などカルシウムを多く含むもの |
ここではお酒については触れませんでしたが、尿路結石とお酒の関係についてはこちらにまとめましたのであわせてどうぞ
最後までお読みくださってありがとうございました。