函館の香雪園(こうせつえん)をご存知ですか ?
「香る雪の園(その)」って風情のある名前ですよね。
京都の浄土宗総本山である知恩院の住持様が当地を訪れたときに名付けられたと言われています。意味は「雪の中に梅香る園」だそうです。
詩心のある住持様だったのですね。
香雪園は穴場スポット
香雪園の場所は、市電の終点・湯の川から歩くと25分くらいのところにあって、市街地からけっこう離れていますので、普段は訪れる人も少なく、「穴場」と言っていい場所です。
紅葉の見ごろは10月中旬から11月上旬
園内は広く(13万㎡余 : 東京ドーム約3個分)、中でもおよそ100mにわたって植えられている楓(カエデ)は、10月中頃から11月上旬にかけて、紅葉の見ごろとなります。
赤いもみじを踏みしめて、見上げても「赤」のもみじ !
近年(平成21年から) 紅葉の時期に合わせて、『はこだてMOMI-Gフェスタ』が開催されるようになって、その間、夜はライトアップされた楓並木を楽しむことができるようになりました。
フェスタでは、ミニライブなんかもあって、普段は完全な「穴場」なのに、この時期だけは訪れる人が多くなります。
香雪園は、『はこだてMOMI-Gフェスタ』のおかげで、しだいに秋に注目されるようになってきましたが、じつは秋だけでなく、春・夏にもお楽しみがあるのです。
香雪園・春のお楽しみ
園内には、約100本のサクラの木が点在していて、5月初旬、ちょうどゴールデンウィークの頃に桜が満開となって目を楽しませてくれます。
函館の桜と言えば「五稜郭公園」や「函館公園」が人気ですが、香雪園も隠れた人気スポットなのです。
あまり知られていないので、のんびりと楽しめますよ。
香雪園・夏のお楽しみ
園内の日本庭園に造られた「ホタルの池」では、毎年7月下旬から8月にかけて、ホタルを見ることができます。
ヘイケボタルがおよそ1,000匹も自生しているそうですよ。
幻想的な光に恋人と二人で酔ってみませんか ?
あっ、もちもんご家族全員でもお楽しみいただけますよ。
ちなみに北海道でホタルを見られる場所はあまり多くなく、小樽市の「ほたるん公園」、札幌市の「西岡公園」、雨竜郡沼田町の「ほたるの里」など、6箇所ほどありますが、香雪園もその一つで、函館では唯一の場所なんです。
香雪園の由来
せっかくですから、香雪園の由来も見ておきましょう。
香雪園は、呉服商として成功した岩船峯次郎氏が、明治31年頃別荘として造成したと言われています。
岩船家が商売繁盛の恩返しとして昭和2年から市民に無料開放し、のちに函館市が岩船家から土地を購入して、「見晴らし公園」として現在に至っています。
庭園の中に自然風景の美しさを取り入れた「風景式庭園」の流れを汲んで造られていて、北海道ではただひとつの国指定文化財庭園です。
園内には、様々な草花が茂っていて、散策を楽しめるのはもちろんですが、先に述べた日本庭園やホタル池のほか、茶室様式を取り入れた雅(みやび)な園亭や、レンガ造りの旧式温室などがあり、見どころが点在しています。
ちなみに、絵画に詳しい方ならご存じかも知れませんが、「子供のためのユーカラ画集」などで知られる油絵画家の岩舟修三氏は、この岩船呉服店3代目の4男なのです。
アクセス
住所 : 函館市見晴町56
①函館駅から函館バス14系統乗車 約40分で「香雪園」下車、徒歩1分
②函館駅から市電2系統 5系統約40分終点「湯の川」下車 徒歩約25分(約1.6km)
駐車場 : 165台(無料) 北側にあります。ホタル池は駐車場から近いですよ。
施設
・一般トイレ
・車椅子トイレ
・売店
・遊具施設
ブランコ、すべり台、丸太渡り、ネットクライム
問い合わせ先
(一財)函館市住宅都市施設公社 花と緑の課
電話: 0138-40-3605
おわりに
ここ、完全な私事です。
香雪園は、私にとっては子供のころ早朝から蝉取りをしたり、「ホタル池」の周辺でトンボやカエルを追いかけた思い出の場所でもあります。
上でチョットだけ触れた岩舟修三さんは、私が幼いころ絵画教室で絵を教えておられたのを覚えています。
香雪園はマイナーな場所かも知れませんが、行った方はきっと満足すると思いますので取り上げてみました。
あなたも一度訪ねてみませんか ?