土用の丑の日と言えばウナギを連想しますね。
なぜ、この日にウナギを食べると良いとされているのでしょうか ?
その由来は ?
平賀源内説が有名です。
そうです。あの、「エレキテル」で有名な、蘭学者の平賀源内です。
本来、ウナギは、晩秋から初冬にかけてが旬で、この時期は冬眠に備えて身に養分を貯えるため、脂が乗って旨いのです。
それに比べて夏のうなぎは味が落ちるため、夏場はうなぎの売れ行きが悪く、ウナギ屋さんはどこも商売に困っていました。
困ったウナギ屋さんが平賀源内に相談したところ、「本日丑の日」と書いて店先に貼るよう助言しました。
その通りにすると、そのウナギ屋さんは大繁盛しました。
それを見た他のウナギ屋さんたちも真似をしたことから、またたく間に全国に広がって、土用の丑の日にウナギを食べることが定着したと言われています。
これは、当時、「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」という伝承があって、それを利用したキャッチコピーがみごとに「当たった」のです。
源内さんはやっぱり頭が良かったんですね !
ちなみに、当時『う』の附く食べ物として土用に食されたものは、瓜、梅干、うどん、などがあったと言われています。
ウナギの効果は ?
それでは、土用の丑の日にウナギを食するのは、単にキャッチコピーに乗せられているだけで、食べても効果ないのでしょうか?
じつは、ウナギが夏に良いということは、万葉集にも詠まれているのです。
石麻呂に吾(われ)物申す夏痩せに良しといふ物ぞ鰻(むなぎ)漁(と)り食(め)せ
大伴家持
(私は、石麻呂に言ったんだ。夏痩せに良いと言うから、ウナギをとってきて食べたらいいよ)
つまり、源内さんよりずっと以前から、夏にウナギを食べるのは体に良いとされていたのです。
そこで、ウナギの栄養素を調べてみました。
ウナギの栄養は ?
ウナギに含まれている栄養は、タンパク質、ビタミンA、ビタミンB1、B2、ビタミンD、
ビタミンE、さらに、DHA、EPAが多く含まれています。
それでは、これら成分の働きを見てみましょう。
タンパク質
筋肉、皮膚、臓器、髪など、体を作るために欠かせない主成分です。
ビタミンA
ビタミンAは、目の健康を保つ働きがあるほか、粘膜や肌の新陳代謝を促して、肌を若返らせる働きがあります。
ビタミンB1、B2
ビタミンB1は炭水化物(糖質)を体内でエネルギーに変換する役割を持った「補酵素」として、またビタミンB2は脂質・糖質・たんぱく質をエネルギーへと変換する「補酵素」として働きます。
ですから、糖質・脂質・たんぱく質と一緒に摂ることで疲れをとる効果があります。
多くのスタミナドリンクなどにビタミンB1、ビタミンB2が配合されているのはそのためです。
これが、「夏バテにはうなぎが効く」と言われる大きな理由となっているのです。
また、ビタミンB1には神経機能を正常にしたり心臓機能を守る働きもあり、ビタミンB2には 皮膚・粘膜・毛髪・爪の再生、老化防止などの作用があります。
ビタミンD
カルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にします。
また、免疫力を高めるためにも必要な栄養素です。
ビタミンE
強い抗酸化作用で細胞の老化を抑えます。また、ホルモン分泌にかかわり、生殖機能を正常に保つはたらき、血行改善、アレルギーを抑える働きなどがあるとされています。
脂質としては、不飽和脂肪酸であるDHA、EPAを含んでいます。
DHAは、頭がよくなるオメガ3脂肪酸のひつとして知られていますね。
また、EPAには、コレステロールや中性脂肪を減らすはたらきがあり、脳梗塞や心筋梗塞の予防に効果があることが知られています。
もうひとつの疑問
ウナギは夏は美味しくないのか。
冬が旬というの天然ウナギですから、温度管理のされている養殖ものには当てはまらないと思います。
やはり、夏の暑い時期にウナギで精を付けるというのは理に適っているのではないでしょうか?
まとめ
やっぱり土用の丑にウナギを食べることには、ちゃんと理屈に適った理由があったのですね。
今年も、おいしいウナギで熱い夏を乗り切りませんか?
最後までお読みくださってありがとうございます。
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