インフルエンザの予防接種は、きわめて安全性が高く、毎年多くの人が受けているポピュラーな予防接種ですね。
でも、どんな薬やワクチンにも、程度の差はあれ何らかの副作用があるものです。
その点インフルエンザの予防接種はどうでしょうか ?
予防接種を受けようかどうかと迷う理由のひとつに「副作用が心配」と言うことがあげられると思います。
今回は、インフルエンザの副作用にはどんなものがあるのか、危険なものはないのか ?
あるならどれくらいの確率で発生するのか、そして、副作用に対してどう対処すればよいのかについてまとめました。
インフルエンザの予防接種の副作用とは ? その確率は ?
代表的な副作用としては、次の2つがあげられます。
・注射のあとが赤く腫れる
・発熱、頭痛、だるさ
インフルエンザの予防接種を受けた人の10%~20%に腫れが生じ、5%~10%に発熱が見られます。
これらは、予防接種によって体に抗体が作られることで起こるものですから問題はなく、2~3日ではれは腫れは消え、熱も下がります。
注意すべきは、次に述べる2つの重篤な副作用です。
アナフィラキシー
呼吸が苦しくなったり、じんましん、顔の紅潮、あるいは吐き気や嘔吐がなどの症状が出たら要注意です。アナフィラキシーが疑われます。
症状が重くなると、意識がレベルが低下したり、呼吸困難、脳炎などを引き起こすなど、場合によっては生命の危機を招くこともあるので、すぐに医師による処置を要します。
アナフィラキシーは、過度のアレルギー反応によるものです。
アレルギー反応は、たべもの、毒物、薬物によっておこりますが、インフルエンザの予防接種でも稀に発症することがあります。
インフルエンザ予防接種によるアレルギー反応は、ワクチンに使われている卵や不活化抗原、添加物のチメロサール(防腐剤)などによっておこると考えられます。
このうち卵由来成分は、高度に精製されてワクチンにはほとんど残っていないので、通常は卵アレルギーの人も問題なく接種できます。
しかし、まれにアレルギー症状が出ることがあるのです。
卵アレルギーの方は、念のため接種前にかかり付けの医師にご相談されるのが良いでしょう。
ギランバレー症候群
もうひとつ、重篤な副作用としてギランバレー症候群があげられます。
ギランバレー症候群は、急性・多発性の根神経炎のひとつで、もしも接種後に手足に力が入らなくなったら、ギランバレー症候群を疑う必要があります。
重症になると呼吸不全を起こすこともあります。
では、これら重篤な副作用はどのくらいの確率で発症するのでしょう ?
アナフィラキシー、ギランバレー症候群を含めた重篤な副作用の発症は極めて稀で、厚生労働省が平成28年7月に公開した「インフルエンザワクチンの 副反応報告状況について」では、発生頻度が0.0002%であると報告されています。
本当に極めて「希」で、ほとんど起こらない言える確率ですね。
インフルエンザの予防接種の副作用はいつ頃出るの ?
そうは言っても、重篤な副作用が絶対起こらないとは言えません。
万一重篤な副作用が起こるるとしたら、予防接種からどれくらいで発症するかを抑えておくことで、その症状がインフルエンザ予防接種の副作用によるものなのかどうか推測することができます。
それによって、医師の診察を受ける際に正確な情報を伝えることができます。
では、2つの重篤な副作用について、その発生時期を見てみましょう。
アナフィラキシーの発症時期
予防接種の直後からだいたい30分以内で急激に発症します。
ギランバレー症候群の発症時期
接種後2週間以内に発症することが多く、遅くとも6週間以内の発症がほとんどです。
これらのことを知っておくだけでも、ご自身の、あるいはご家族の体調不良とインフルエンザ予防接種との因果関係を推測する助けとなります。
インフルエンザの予防接種で副作用が出たときの対処法は ?
重篤な副作用を発症した場合はもちろん医師の治療を受ける必要がありますが、ご自身またはご家族としてどう対処すべきかについても触れておきます。
アナフィラキシーへの対処法
アナフィラキシーの治療法は症状に合わせて使う薬が違ってきます。
軽度の場合は抗ヒスタミン薬やステロイド薬などが用いられ、意識障害などのショック症状があらわれた場合には、速やかにアドレナリン注射薬が用いられます。
いずれにしろ、医師の判断によって処置されますので、予防接種後30分は病院にとどまって様子を見てください。
ギランバレー症候群への対処法
ギランバレー症候群は、上に述べたように、発症まで1~2週間時間が経過しますので、万一接種後1週間以上過ぎてから手足に力が入らないといった症状が出た場合は神経内科などの専門医を受診してください。
くの場合は発症後4週間くらいで症状はピークに達し、それを過ぎれば快方に向かてって悪化することはないとされています。
ただ、回復までに半年から1年と、時間がかかることが多いと言う厄介な病気であることを申し添えておきます。
おわりに
インフルエンザの予防接種による副作用のなかには、たしかに重篤なものもあります。
しかし、発生確率は極めて低くいことから、通常は心配することはありません。
ただ、副作用についての正しい知識を持って、万一副作用を発症した場合に迅速に判断して医師の治療を受けることが大事と言えます。
あなたとご家族が健康でありますように !
最後までお読みくださってありがとうございました。
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